高濃度ボウ硝等の分解消失


実施先紹介(H県K市N工場)

本工場は、世界で最大級レベルのラノリン、コレステロールの生産を行っている。これ以外にも、金属防錆剤、金属加工油、皮革油剤、合成タンニン等を生産し、これらの生産に伴う化学薬品廃液が排出される(ポイント参照)。

問題点及びバックヤード

ISO14000及び地球温暖化に対応した規制、汚泥・スラッジの焼却禁止を見越し、積極的に工場廃液処理を考える。

  1. 難分解性有害物質の処理
  2. 余剰汚泥・スラッジ
  3. 悪臭
  4. 汚泥・スラッジ処理のためのコスト増
  5. 処理水の再利用

※ポイント

高濃度(N-H)の分解消失処理を前処理なしで実施していることがポイント。また高濃度ボウ硝の分解処理は生物処理ではできないとされているが、分解消失している。汚泥スラッジの不発生も当然ながら特筆すべきこと。以下の物質が廃液には含有されている。

へプタン、メタノール、塩化亜鉛、コレステロール、MEK、IPA、IBA、ルペント、ラノリン脂肪酸及びそのNa、石鹸、硫酸、HBr、NaBr、脂肪酸、Cl、燐酸、トルエン、
塩化メチレン、モノクロムベンゼン、 エタノール、ヒドラジン、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、フッ素、ボウ硝 等

成果

  1. 上記に列挙された難分解性物質の分解消失
  2. 汚泥・スラッジの不発生
  3. 悪臭の解消
  4. 大幅なコストダウン
  5. 処理水の再利用

一般水質データ

検査項目 原水[ppm] 処理水[ppm] 除去率[%]
COD 670 74 89.0
BOD 5700 4 99.9
N-H 1900 1 99.9
リン酸イオン 480 170 64.6
全硬度 140 88 37.1

計量証明:三連科学分析センター


発酵槽
発酵槽: 難分解物質が有機液化している
微生物凝集の様子
微生物凝集の様子、単なる汚泥の沈殿とは異なる
発酵合成槽
発酵合成槽: 泡が透明でさらさらしている
原水と合成槽との対比
原水(右)と合成槽(左)との対比


その他の工業用水の浄化に関する記事はこちら → 工業用水の浄化