動物性油脂の分解消失


実施先紹介(M県S市N工場)

本工場は、カレーを主体としたレトルト食品の製造を行っており、澱粉、カレーを煮込む際の残り物を多く含んだ廃液を排出する。

問題点及びバックヤード

増産体制に対し、廃水処理能力を超え、悪臭を発して住民苦情、市の改善命令まで出た。

  1. 難分解性物質(N-H)、動物性油脂の処理
  2. 余剰汚泥の発生とその処理コスト
  3. 悪臭

※ポイント

難分解性物質(油脂成分)を分解消失したことが一番のポイント。悪臭については、住民から立ち退きまで言われていたにもかかわらず、完全に消失し、処理排水口付近で魚が増えるなどの自然回帰現象が起きている。

成果

  1. 難分解性物質(N-H)、動物性油脂の分解消失
  2. 悪臭の解消
  3. 汚泥・スラッジが不発生、大幅コストダウン
  4. 工場排水口周辺河川に魚、鳥などが増える

一般水質データ

検査項目 原水 処理水
 pH 6.7 7.6

検査項目 原水[ppm] 処理水[ppm] 除去率[%]
BOD 1950
3.2
99.8
COD 1370 13.9 99.0
全窒素 350 13.9 99.9
N-Hex 136 <1 99.3

計量証明:(財)宮城県公衆衛生協会


原水槽
原水槽: 油脂分を多量に含む
放流槽
放流槽: 油気が全くない清水
発酵槽
発酵槽: 艶のある良い泡


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