染色工場における有機・無機化学薬品及び色度の昇華(消失)


実施先紹介(S県H市I工場)

本工場は地元で有数の老舗染色工場で、創業大正10年以来、常に積極的に先進技術の導入を行ってきた。

問題点及びバックヤード

環境問題における企業の社会的責任の追及と脱水ケーキ及びスラッジの 埋立または焼却処分に対する将来的リスクについて真剣に検討し、自主的かつ積極的に対応する。

  1. 染色に要する染料、化学薬品中に含まれる難分解性有害物質の処理
  2. 余剰汚泥、スラッジ
  3. 悪臭
  4. pH調整のための硫酸使用
  5. 色度の問題
  6. 処理水のリサイクル化

※ポイント

色度が最高2000から2500にも達する複合的な染色工場廃液を、物理・化学処理を一切行わず色度ゼロにしたこと。また、この処理水を生産工程の洗浄水として再利用していることがポイント。なお、本工場の廃液には 以下の物質が含まれている(一部紹介)。

反応染料、尿素CO(NH2)2、炭酸水素ナトリウム NaHCO3、硫酸水素ナトリウムNa2SO4 酢酸 CH3COOH、分散染料、硫化染料、硫化ナトリウムNa2S  ソーダ灰NaCO3、亜硝酸ナトリウムNaNO2、酢酸ナトリウムCH3COONa 、水硫化ナトリウムNaHSO4、水酸化ナトリウムNaOH、塩酸 HCl etc…..

成果

  1. スラッジ、汚泥の分解消失
  2. pH調整のための硫酸投入ゼロ
  3. 大腸菌・フザリウム等の有害菌の不発生
  4. 悪臭の分解消失
  5. 染料等難分解物質の分解消失
  6. 色度ゼロ
  7. 処理水のリサイクル

一般水質分析データ

検査項目 第1微生物処理 第2微生物処理
第3微生物処理
第4微生物処理
第5微生物、鉱物処理
飲料水
pH 11.8 7.8  8.1 7.9 7.8 7.0
色度 2000


0 0
検査項目 第1微生物処理 第2微生物処理
第3微生物処理 第4微生物処理 第5微生物、鉱物処理 飲料水
SS 56.2
4.2
21.3
2.8
0.5
< 0.1 (N.D)
BOD 810 19.6 3.8 1.3 0.5 < 0.1 (N.D)
COD 960 64.8 33.4 4.7 3 < 0.1 (N.D)
T-N 102 17.7 14.3 2.23 1.3 < 0.1 (N.D)
T-P 3.77 1.88 3.32 0.28 0.1 < 0.1 (N.D)
染色工場より排出される廃液
染色工場より排出される廃液
処理水の推移
処理水の推移(左より原廃液、第一~五微生物処理水)
流量調整槽兼発酵槽
流量調整槽兼発酵槽の様子
第1沈殿槽
第1沈殿槽の様子


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